2013年12月10日

マイホームを売ったら、一般的にどのような取り扱いがなされるのでしょうか?

マイホームと呼ばれる、居住用財産である建物や敷地を売って、利益が出れば、他の資産を売却したときと同様に、所得税がかかります。
しかし、マイホームという財産の性格から、次の二つの特例の適用を受けられることとされています。
・譲渡所得の計算において、3,000万円の特別控除の適用を受けられます。
・所得税額の計算において、その所有期間の長短に応じ、軽減税率の適用を受けられます。
本問では、3,000万円控除について説明します。

1.マイホームを売却した場合における所得金額の計算方法
マイホームを売却した場合における譲渡所得の金額の計算は、次のように行います。
譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-3,000万円の特別控除
ゆえに、もし、敷地と家屋併せて5,000万円で売却し、取得費は5,000万円の5%、譲渡費用は20万円であるなら、譲渡所得金額は次の通りです。
5,000万円-(5,000万円×5%+20万円)-3,000万円=1,730万円

2.税務上3,000万円の特別控除の適用を受けられるかどうかの検討
賃貸用マンションのような、マイホームとはいえない不動産の売却を行っても、3,000万円の特別控除の適用を受けられません。それゆえ、税務上では、マイホームを売却した場合とはどのような場合であるかについて、詳細が定義付けられています。ゆえに、次の(1)~(5)の要件に該当するかを確認することが重要です。

(1)マイホームを売却した場合とは
 自らが居住している家屋を売った場合、又は家屋と共にその敷地や借地権を売った場合のことを、マイホームを売却した場合といいます。所有期間の長短は、原則として問いません。
 また、次のような家屋を売ったとしても、この場合のマイホームということはできません。
・この特例を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋
・居住用家屋を新築する期間だけ仮住まいとして使った家屋その他一時的な目的での入居が認められる家屋
・例えば別荘のような、主に趣味、娯楽又は保養を目的として所有する家屋

(2)住まなくなったマイホームは除外されるのか
 ア.単身赴任等の特殊な事情により、一時的に居住していないマイホーム
   単身赴任や転地療養等により他の場所に居住している場合でも、配偶者等が以前と変わることなくその家屋に居住していて、ご自分の単身赴任等の事情が消失したときに配偶者等と共にまたその家屋に住む予定であれば、自らにとっても居住用家屋であるという取り扱いがなされ、マイホームに当てはまります。
  イ.単身赴任等の特殊な事情がない場合
   以前に居住していた家屋や家屋と共にその敷地等の売却を行う場合は、居住しなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却しなければなりません。
   居住していた家屋又は居住しなくなった家屋の取壊しをして、その敷地の売却を行う場合は、次の二つの要件全てに該当する必要があります。
  ・その敷地の譲渡契約の締結が、家屋の取壊しの日から1年以内に行われ、かつ、居住しなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却を行うこと。
 ・家屋の取壊しから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場等のその他の用に供していないこと。
 ウ.災害で家屋が滅失している場合
   その敷地の売却を居住しなくなった日から3年目の年の12月31日までに行うことが必要です。ただし、東日本大震災で滅失した家屋の場合、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなります。

(3)誰に売るのか
 売り手と買い手の関係が、親から子へ、夫から妻へ、社長から社長の会社へというふうに、親子や夫婦等の特別な間柄ではないことが必要となります。

(4)近年にマイホームに関する特例の適用を受けていないか
 売却した年の前年及び前々年に、この特例や、マイホームの買換え・交換の特例、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないことが必要になります。

(5)他の特例の適用を受けていないか
 売却を行った家屋や敷地に関して、収容等の場合の特別控除等の他の特例の適用を受けていないことが必要になります。

3.適用を受けるための手続き
一定の書類を添えた上で、確定申告を行うことが、この特例の適用を受けるには必要といえます。
posted by 相続税 at 10:06| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年09月19日

軽減税率の特例とはどういったものですか?

軽減税率の特例の適用には、以下のすべてに該当しなければなりません。
(1)売却した年の1月1日において家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えていること、また売却した年の前年および前々年にこの特例をうけていないこと。
(2)国内にある自分が住んでいる家屋を売る、または家屋とともにその敷地を売却すること(ただし、以前に住んでいた際には住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに、家屋が災害によって滅失した際にはその敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却すること)。
(3)売却した家屋や敷地についてマイホームの買換えや交換の特例などほかの特例をうけていないこと(ただし、3000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例は併用が可能です)。
(4)配偶者や直系血族、同一生計親族、内縁関係にある人など特殊な関係にある者に対する譲渡でないこと。
譲渡所得金額の中で、6000万円以下の部分が軽減の場合には、所得税10%・住民税4%、6000万円を超える部分は、原則的に所得税15%・住民税5%となっています。また、確定申告書には以下の3つの書類を添えなければなりません。
 (1)土地・建物用の譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
 (2)売却した居住用家屋やその敷地の登記事項証明書
 (3)売却した日から2か月経った後に交付をうけた除票住民票の写し又は住民票の写し
posted by 相続税 at 17:08| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2013年07月14日

生命保険が遺産分割に有効なのは、どのような点においてでしょうか?

生命保険金は、指定した受取人の固有の財産となります。したがって、遺産分割を行うことなく、
あげたい人に確実に財産を分けることできるため、遺産分割が行いやすくなります。

1.相続対策として生命保険金を活用
 相続対策を考える上で、生命保険の活用が有効です。生命保険を活用することの効果に着目すると、
「遺産分割対策」・「納税資金対策」・「相続税の軽減対策」の3つに大別できます。

 (1)遺産分割対策(あげたい人にお金が届く)
  死亡保険金は、保険契約上で指定した受取人の固有財産となります。遺産分割を行うことなく、
受取人として指定した相続人のものに、確実になるのです。なお、相続放棄をしても、生命保険金を受け取ることができます。
  例えば、相続財産としての預金1億円を長男・長女・次男の3人で相続するとします。この場合、遺産分割協議によってどのように分けるかを決める必要があり、各人の主張がぶつかり合ったらスムーズに分割を決めることは不可能です。しかし、同じ1億円でも生命保険金なら、長男(4,000万円)・長女(3,000万円)・次男(3,000万円)と予め受取人を指定しておくことができ、受取人固有の財産として、遺産分割協議をすることなく穏便に財産を分けることが可能です。
  また、例えば、相続財産が長男の自宅の土地1億円のみなら、次男にも平等に財産を分けようとしてもその財産がありません。自宅を売却して資金に換えることもできますが、自宅は長男が生活しているため納得できないでしょう。このような事態を避けるため、生命保険を活用することができます。すなわち、長男が自宅の土地を相続しても、次男には生命保険金1億円が支払われ、2人が1億円ずつの相続財産を相続することとなり、遺産分割を円滑に進めることができるのです。さらに、事業を承継する長男に自社株や事業用不動産を相続させたい場合、他の相続人に対して生命保険を活用するのも有効です。
  そのほか、相続人の一人が遺産を取得した代償として他の相続人に金銭その他の財産を与える分割方法である代償分割に、生命保険を活用すること等により、円滑な遺産分割が実現可能です。

 (2)納税資金対策
  相続税は、亡くなった日から10ヶ月以内に現金で納付するのが原則です。もし相続財産の中に相続税を払えるだけの現金や預貯金がないなら、相続税を支払うための準備をしなければなりません。相続税が支払える額まで現金や預貯金を貯めるのに時間がかかるのであれば、生命保険を活用してその不足分を補うことにより、相続税の納税資金を確保することができます。
  生命保険への加入は、相続が起きてからでは遅いので、生前に相続人がいくら相続税を支払うのかを知り、そのうちいくら現金で納付できるのか、生命保険金でいくら納付するのかということについて、不動産の売却や延納、物納も視野に入れ、予めシミュレーションしておく必要があります。

 (3)相続税の軽減対策
  生命保険については、保険金の全てに相続税が課税されるのではありません。被相続人の死亡により相続人が取得した生命保険金のうち、「法定相続人一人当たり500万円」は、非課税です。もし生命保険に加入していないのなら、最低限この非課税相当額について預貯金を生命保険に置き換えておくだけで、相続税の軽減対策として有効です。なお、生命保険金は相続を放棄しても受け取れますが、非課税の適用を受けることはできません。
  また、贈与税の110万円の基礎控除を利用し、子供や孫に生命保険相当額を贈与するという生命保険の活用方法が存在します。具体的には、子供や孫は、贈与を受けた保険料相当額で、被保険者を親や祖父母とする生命保険に加入します。すると、親や祖父母に相続が発生したときに支払われる保険金は、相続財産ではなく、子供や孫の一時所得となり、少ない税負担で納税資金を確保することができます。なお、この保険金に係る税額は、次の通りです。
 {(保険金額-保険料総額-50万円)×1/2}×所得税・住民税率
  なお、保険料相当額の贈与を行う際には、次のことに留意しましょう。
 ・子供や孫が贈与を受けた金額が、110万円を超えるなら、贈与税の申告及び納税が必要です。
 ・連年で一定金額を贈与すると、その実質により初年度において一括贈与をしたとみなされて課税される可能性もあります。
 ・保険料相当額の贈与は、適切な贈与の手続きを行う必要があります。具体的には、贈与契約書を作成して確定日付を取ること、生命保険料は子供や孫が支払って生命保険料控除の申告をすること、贈与を受ける口座の通帳・印鑑の管理は子供や孫が行うこと等が重要です。
 ・子供や孫の所得が多かったり、相続財産が少額だったりすると、相続税額より所得税額の方が高くなって多額の税金を納めることもありますので、事前にシミュレーションが必要となります。

2.まとまったお金の支払いに生命保険金を活用
 被相続人が現預金として財産を持っている場合、上記の通り、相続人の間での遺産分割協議を行う
必要があります。なおかつ、預貯金のときは遺産分割協議が成立して名義変更が行われるまでは凍結
してしまいますから、葬儀費用・病院の入院費用の支払い等のためにまとまったお金が必要でも自由
に引き出すことはできません。
 しかし、生命保険の場合には、遺産分割をすることなく、保険会社に書類を提出すれば数日間でま
とまった資金を現金で準備することができますので、葬儀費用や病院への支払い等に有効です。
posted by 相続税 at 13:05| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。