2013年07月14日

生命保険が遺産分割に有効なのは、どのような点においてでしょうか?

生命保険金は、指定した受取人の固有の財産となります。したがって、遺産分割を行うことなく、
あげたい人に確実に財産を分けることできるため、遺産分割が行いやすくなります。

1.相続対策として生命保険金を活用
 相続対策を考える上で、生命保険の活用が有効です。生命保険を活用することの効果に着目すると、
「遺産分割対策」・「納税資金対策」・「相続税の軽減対策」の3つに大別できます。

 (1)遺産分割対策(あげたい人にお金が届く)
  死亡保険金は、保険契約上で指定した受取人の固有財産となります。遺産分割を行うことなく、
受取人として指定した相続人のものに、確実になるのです。なお、相続放棄をしても、生命保険金を受け取ることができます。
  例えば、相続財産としての預金1億円を長男・長女・次男の3人で相続するとします。この場合、遺産分割協議によってどのように分けるかを決める必要があり、各人の主張がぶつかり合ったらスムーズに分割を決めることは不可能です。しかし、同じ1億円でも生命保険金なら、長男(4,000万円)・長女(3,000万円)・次男(3,000万円)と予め受取人を指定しておくことができ、受取人固有の財産として、遺産分割協議をすることなく穏便に財産を分けることが可能です。
  また、例えば、相続財産が長男の自宅の土地1億円のみなら、次男にも平等に財産を分けようとしてもその財産がありません。自宅を売却して資金に換えることもできますが、自宅は長男が生活しているため納得できないでしょう。このような事態を避けるため、生命保険を活用することができます。すなわち、長男が自宅の土地を相続しても、次男には生命保険金1億円が支払われ、2人が1億円ずつの相続財産を相続することとなり、遺産分割を円滑に進めることができるのです。さらに、事業を承継する長男に自社株や事業用不動産を相続させたい場合、他の相続人に対して生命保険を活用するのも有効です。
  そのほか、相続人の一人が遺産を取得した代償として他の相続人に金銭その他の財産を与える分割方法である代償分割に、生命保険を活用すること等により、円滑な遺産分割が実現可能です。

 (2)納税資金対策
  相続税は、亡くなった日から10ヶ月以内に現金で納付するのが原則です。もし相続財産の中に相続税を払えるだけの現金や預貯金がないなら、相続税を支払うための準備をしなければなりません。相続税が支払える額まで現金や預貯金を貯めるのに時間がかかるのであれば、生命保険を活用してその不足分を補うことにより、相続税の納税資金を確保することができます。
  生命保険への加入は、相続が起きてからでは遅いので、生前に相続人がいくら相続税を支払うのかを知り、そのうちいくら現金で納付できるのか、生命保険金でいくら納付するのかということについて、不動産の売却や延納、物納も視野に入れ、予めシミュレーションしておく必要があります。

 (3)相続税の軽減対策
  生命保険については、保険金の全てに相続税が課税されるのではありません。被相続人の死亡により相続人が取得した生命保険金のうち、「法定相続人一人当たり500万円」は、非課税です。もし生命保険に加入していないのなら、最低限この非課税相当額について預貯金を生命保険に置き換えておくだけで、相続税の軽減対策として有効です。なお、生命保険金は相続を放棄しても受け取れますが、非課税の適用を受けることはできません。
  また、贈与税の110万円の基礎控除を利用し、子供や孫に生命保険相当額を贈与するという生命保険の活用方法が存在します。具体的には、子供や孫は、贈与を受けた保険料相当額で、被保険者を親や祖父母とする生命保険に加入します。すると、親や祖父母に相続が発生したときに支払われる保険金は、相続財産ではなく、子供や孫の一時所得となり、少ない税負担で納税資金を確保することができます。なお、この保険金に係る税額は、次の通りです。
 {(保険金額-保険料総額-50万円)×1/2}×所得税・住民税率
  なお、保険料相当額の贈与を行う際には、次のことに留意しましょう。
 ・子供や孫が贈与を受けた金額が、110万円を超えるなら、贈与税の申告及び納税が必要です。
 ・連年で一定金額を贈与すると、その実質により初年度において一括贈与をしたとみなされて課税される可能性もあります。
 ・保険料相当額の贈与は、適切な贈与の手続きを行う必要があります。具体的には、贈与契約書を作成して確定日付を取ること、生命保険料は子供や孫が支払って生命保険料控除の申告をすること、贈与を受ける口座の通帳・印鑑の管理は子供や孫が行うこと等が重要です。
 ・子供や孫の所得が多かったり、相続財産が少額だったりすると、相続税額より所得税額の方が高くなって多額の税金を納めることもありますので、事前にシミュレーションが必要となります。

2.まとまったお金の支払いに生命保険金を活用
 被相続人が現預金として財産を持っている場合、上記の通り、相続人の間での遺産分割協議を行う
必要があります。なおかつ、預貯金のときは遺産分割協議が成立して名義変更が行われるまでは凍結
してしまいますから、葬儀費用・病院の入院費用の支払い等のためにまとまったお金が必要でも自由
に引き出すことはできません。
 しかし、生命保険の場合には、遺産分割をすることなく、保険会社に書類を提出すれば数日間でま
とまった資金を現金で準備することができますので、葬儀費用や病院への支払い等に有効です。
posted by 相続税 at 13:05| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

特に遺言が必要なのは、どのような場合でしょうか?

特に遺言が必要なのは、次のような場合です。
・夫婦に子供がいない場合。
相続人がいない場合。
・相続人以外の人に財産を遺したい場合。
・相続人同士が揉めそうな場合。

1.遺言のメリット
 亡くなった人の意思は、相続において最も優先されるものであり、遺言は、その意思を表したものです。遺言は、亡くなった人が遺産の具体的な配分方法を指定することができますので、遺産分割協議のトラブルを事前に防ぐことができます。
 また、遺産の配分方法だけではなく、家族に対する考えや想いも伝え、その実現を図ることが可能です。
 さらに、遺言により、相続人以外の人に財産を遺すこともできます。

2.遺言の必要な場合
 特に次のような場合には、遺言書を作成することをお勧めします。

 (1)夫婦に子供がいない場合
  夫婦に子供がいない場合、2人の両親が既に亡くなっているなら、その相続人は配偶者と兄弟姉妹になります。したがって、たとえ夫が妻に全ての財産を遺したいと考えていたとしても、遺言書がないなら、兄弟姉妹にも夫の財産を相続する権利が生じることになってしまいます。兄弟姉妹がその権利を主張して遺産分割協議書に印鑑を押さないなら、妻は夫の金融資産の名義変更や自宅の相続登記さえも行うことができなくなってしまうのです。兄弟姉妹と仲がよくても、相続の際に揉める例はよくあります。遺された配偶者にそのような苦労をかけないためにも、遺言書を作成した方がいいといえます。

 (2)相続人がいない場合
  配偶者・子供・兄弟姉妹等の相続人がいない場合、遺言書がないなら、相続財産は最終的に国に帰属することになります。しかし、生前に遺言書を作成すると、ご自身で相続後の財産の処分方法を決めることができます。例えば、遺言書で指定することにより、○○協会・○○財団・学校法人等の公的な団体・法人にご自身の財産を遺すこともできるのです。相続人がいない場合には、ご自身の死後にどのように財産を遺したいのかをよく考え、遺言書を作成することが重要です。

 (3)相続人以外の人に財産を遺したい場合
  遺言書を作成することにより、相続人以外の人に財産を遺すこともできます。しかし、遺言書がなければ、法定相続人が相続することになり、相続人以外の人が財産を相続することはできません。例えば、生前に面倒をよくみてくれた長男の嫁に財産を遺したいとします。遺言書がないなら、その嫁は相続人ではありませんので財産を相続する権利はありませんが、遺言書でその嫁に財産を遺す旨を指定すると、その嫁にも財産を相続する権利が発生するのです。また、内縁の妻に財産を遺したいときにも、遺言書が必要です。

 (4)相続人同士が揉めそうな場合
  相続人同士の仲が悪く、将来遺産分割で揉めそうな場合、又は、相続財産の多くが不動産で遺産分割が難しい場合には、生前に遺言書を作成すれば、相続人同士が遺産分割で揉めるのを防げます。例えば、相続人が長男・次男・三男の3人で、相続財産が賃貸物件だとします。もし賃貸物件を3人共有で相続すれば、3人の署名・押印がないとその物件を売却することも、その物件を担保にローンを組むこともできません。しかし、生前に遺言書を作成し、「賃貸物件は長男に相続させ、長男は次男と三男に現金○○円を支払う(代償分割)」と指定すれば、賃貸物件を共有で相続する事態に伴う将来の揉め事を避けることができるでしょう。
 代償分割・・・相続人の一人が相続により財産の現物を取得する一方、他の相続人に取得した財産に相当する債務を負担する遺産分割の方法のこと。
posted by 相続税 at 13:04| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

従業員持株会を活用することに、何かメリットはありますか?


 オーナー所有の株式を従業員持株会に譲渡することによって、次のような効果が期待できます。
・オーナーの相続財産が減少して、相続税評価額が下がります。(配当還元価額による移動が可能です。)
・従業員の福利厚生となります。

1.オーナーの相続財産の減少
 従業員持株会制度とは、福利厚生を目的に従業員が自社株を取得・保有する制度をいいます。オーナーの相続対策は、非上場会社がこの制度が導入する大きな理由といえます。
 オーナーの所有する株式は、原則的評価方式によって高く評価され、相続税が高額となることも考えられます。そこで、従業員持株会を設立して自社株を譲渡すると、オーナーの持株数は減少し、相続財産も減少することになります。
 なお、従業員持株会への自社株の譲渡に当たっては、配当還元価額による移動が可能であるために、通常より低い価額での売却ができ、売却に伴う譲渡所得税の負担を低く抑えることができます。
 従業員には、通常より低い価額で自社株を取得できるというメリットがあります。

2.従業員の福利厚生
 従業員持株会には、従業員のモチベーションを上げる効果も存在します。なぜなら、従業員自身の頑張りによって会社の業績が伸びたなら、配当金という形で自身に見返りがあるからです。従業員持株会には、このような福利厚生としての一面があるといえます。
 しかし、その反面、株主が増えることにより、会社経営に支障をきたす可能性も否定できません。したがって、オーナーが従業員持株会に株式を譲渡するに当たり、譲渡する株式を「配当優先・無議決権株式」にする等の対策を講じることによって、経営に支障をきたすことのないようにするといいでしょう。
posted by 相続税 at 13:03| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

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